私が獣医大学受験のための勉強を始めたのは36歳でした。
高校生だったのは20年も前のことです。内容なんて何にも覚えていませんし、小学校、中学校の勉強の内容すらあやふやでした。
しかも私は美大卒業というバリバリの文系。
そんな私がどうやって獣医大入学までこぎつけたのか、これから紹介したいと思います!
受験を決めたはいいけど、どうやって勉強したらいいのやら。カリキュラムも昔とは全然違うし、困った〜
社会人でも受験勉強できるいいツールがあるよ〜〜。今日はそれについて紹介していくね。ファイト!
スタディサプリ高校/大学受験コース
受験予備校も河合塾、城南予備校、四谷学院へカウンセリングをしに行ったのですが、金銭面で無理でした。獣医大学に入学してからも高額な学費が必要なのに、予備校に更に高額な金額を投入することはできませんでした。
また、予備校の暗くて狭い部屋と子供用の机と椅子、都心のごちゃごちゃした所にある環境も好きになれませんでした。
こんな所に、現役、浪人高校生と一緒に一日中詰め込まれるなんて、と考えるだけで無理でした。
そこで、家で勉強できる良いツールはないかと調べた所、スタディサプリにたどり着きました。
【スタディサプリ】は受験コースだと月10,000円ほどの会費ですべての授業を受講できます。それぞれの授業にはテキスト(問題集)がありますのでそれを別で購入します。
問題集は受講料とは別で1冊1000円程でした。
私は数学、英語、生物、化学は【スタディサプリ】で勉強しました。
【スタディサプリ】は自分がまさに高校の授業を受けている感じで進んでいきます。
1回の授業が単元分けされていてその単元に関する先生の説明を聞き、問題を解き、問題の解説を聞くスタイルです。
ちゃんと学校の様に黒板に板書してくれるので学生になった気分でノートに写していました。
私の高校時代は20年前ですし、カリキュラム全て変わっていましたので、スタディサプリのおかげで新課程に対応した勉強ができました。
先生がとにかく美男美女!
私が続けられたのは先生たちがほぼ全員美しかったこと!
パソコンの画面を毎日見続けることに耐えられるルックスはやっぱり必要!
特に英語の関先生、生物の牧島先生は大ファンでした。
高校でも皆さん、好きな先生がいたと思いますが、そういう先生の授業は頑張れるものですよね。
英語の関先生は超有名講師で多くの予備校で引っ張りだこです。関先生の授業を取るために学生が長蛇の列を作る程だそうです。そんな先生の授業が自宅のパソコンでいつでも受講できるなんてすごいですよね。
↓関先生の情熱的な授業はこちらをご覧ください
板書が分かり易い、先生の話も分かり易い!
先生方は毎回綺麗な板書をカラフルなチョークで用意していてくれます。色分けがきっちりされているので理解しやすいですし、図解も先生方が苦労して描いてくれているのが分かりました。
自分が高校生の頃を思い出すと、色々な先生がいましたが、話が面白い先生そうでもない先生、声が小さい先生、ヤル気のない先生などなど。
でもスタディサプリの先生方はある一定のラインは必ず超えていました。
大学生になった今でも機会があればまたあの動画見たいなって思えるほどのレベルの高さです。
動画でいつでも、何度でも見直すことができる!
一度見て理解できなければ、何度でも同じ授業の動画を見ることができます。
私は当時タブレットでスタディサプリを見ていたのですが、仕事場への通勤の運転中にも耳だけで聞いていました。画面を見なくても、聞くだけでも勉強になりました。
数学は基礎から見直し
私が受験勉強を始めたのは36歳でした。学校で習ったことなんて全て忘れていました。
小学〜高校と数学は本当に苦手でした。数学の授業がある日は朝から憂鬱でした。その数学を今回はどうしてもやらなければなりません。
最初から学び直すために、やさしい高校数学(数I・A)【新課程】とやさしい高校数学(数II・B)を本屋さんで購入しました。
やさしいシリーズは本当にやさしくて話し言葉で説明してくれています。字も大きくて、字体もやさしい感じの字体になっていますので、久しく勉強から離れていた頭にも理解し易かったです。
生物の勉強も始めからやり直し
生物は高校の時、大好きでした。先生が面白って教え方が上手だったんです。なので生物の勉強は始めから苦ではありませんでした。
しかし私の時代とはカリキュラムが違っていました。今は「生物基礎」、「生物」と分かれているんですよね。その為、自分が昔どこまで勉強したのかも分かりません。20年前とは内容も大幅に変わっているそうなのでやっぱり殆ど最初から学び直しでした。
まずは、高校の教科書と、生物図解を購入しました。
学校の授業で先生が使用するものです。教科書については購入先が決まっていますので教科書を販売している地域の本屋さんに注文をして購入しました。図解に関しては、出来るだけ最新のものが良いのですが、メルカリやアマゾンで中古品がたくさん出回っていますのでそれを購入しました。
生物は始めからスタディサプリを受講して、もっと詳しく知りたいとか、分からないことは図解と高校の教科書で調べました。
英語は基礎力はあったので積み上げ
英語は元々好きでTOEICも趣味で受験したりしていたので受験英語も苦ではありませんでした。ただ、センター試験英語は独特だったので発音・文法問題基礎は復讐しました。
文法の基礎は総合英語Forest 7th Editionで勉強しなおしました。基礎の基礎から丁寧に書いてあるので大学受験しなくても英語の勉強をしている人は1冊手元に持っていても良いかもしれません。
その他実践編では、Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服をひたすらやりました。間違ったところは何回もできるまで復讐しました。何回もやることで英語の文法問題はかなりできるようになりました。実際の試験に近い問題が収録されています。
長文読解問題については受験するのが獣医大学ですので医療系の単語を覚える必要がありました。キクタンメディカルを購入し、運転中に流していました。リズムに乗ってネイティブが単語を発音してくれて、その後に自分も発音するというものです。
音楽がテンポよく流れてくるので、何もない音声よりは格段に覚えやすかったです。ここに出てきた単語に関しては入学後も引き続き使う機会が多かったです。
化学は数学より難しかった
化学は高校生の1年で勉強しただけだったので、なんなら数学よりゼロの状態でした。全然とっかかりがなく、意味不明すぎて一人で勉強するのは無理だったのでスタディサプリの化学基礎を聞き流しました。
ここでぼんやりと化学ってこういうことかあ〜という知識を仕入れて参考書に移りました。
参考書は宇宙一わかりやすい高校化学(理論化学)です。漫画を使っているので入りやすいのと、イラストが可愛いいので飽きません。なんとか1冊読み終えることができました。
入学試験で物理は0点
お世話になっていた獣医さんが日獣を受けるんだったら物理が穴だよって教えてくれました。獣医だからみんな生物で受験するから生物の問題は難しくなっている、物理だったら先生の側にも専門家はいないからいける!!とアドバイスいただきました。
素直な私はそれを信じてしまいました。
しかし私は36歳、文系です。高校で物理は化学と同じく大の苦手、1年しか勉強していません。そんな私がいくら勉強したって受験に耐えられるレベルまで物理を上げていけるワケがないのでした。
結局日獣の一般の試験の物理では手応えゼロ、1点も取れなかったんじゃないかと思います。
でも、勉強したことは無駄ではありませんでした。結局入学してから物理の知識も無いと分からない授業がありましたので!
まずは最も簡単そうな参考書を買いました。
高校物理基礎をひとつひとつわかりやすく。です。
うさぎのキャラクターが可愛く描かれていてほぼ子供向け、みたいな感じです。中身は難しかったですけど。イラストが豊富なのはやっぱりいいですね。これを全部できるようになるまで何度もやりました。
他は宇宙一わかりやすい高校物理 力学・波動シリーズです。漫画とイラストがベースなのでアホな私でも物理の世界をなんとなく把握することができました。
全然理解できないZ会
一応、Z会も入会して、数学と生物だけ受講していたんですよね。でもこれが難しくってね。毎回提出の添削問題があるんですけど、数学なんて散々でしたね。生物はまだマシだったかもしれません。
やらないよりはやった方がいいですが、ある程度高校の授業の内容は理解していて、上位の大学を狙うような頭脳の持ち主でなければやっても意味がないかもしれないです。
良かったのは大学の2次試験をベースに今までに頻出された問題提供をしてくれているので実際の試験の時に見たことあるな〜ていう感じになりやすいのかもしれません。
赤ペンで添削されて答案が返ってくるのは進研ゼミぽくて懐かしかったです。
孤独な受験勉強は地獄
最初の年は仕事をしながら勉強して受験しました。1日の中でも勉強する時間が全然取れなくて焦っていました。時間さえあれば、それが5分でも10分でも机にかじりついて勉強しました。週末は朝の5時くらいから18時までずっと勉強していました。
その為、職場の人との飲み会、友人との付き合い、には一切行けませんでした。ハッキリ言ってこの時期に友達は激減しました。
でも、やりたいことがある場合何かを犠牲にしないとならないこともありますよね。
2年目は仕事も辞めて勉強だけの年となりました。始まってみると仕事をしていた頃よりも精神的に追い詰められました。
図書館での勉強
私は高校の頃から家よりも図書館で勉強が捗るタイプでした。
そこで、朝は9時から図書館へ行き、疲れる頃だいたい18時位に帰宅します。夕飯を食べ、20時頃〜23時まで勉強します。図書館は早めに行かないと良い席が取れないので、8時45分から並んでいました。
朝早くから並んでいると、ホームレスの方々と一緒に並ぶことになりました。ホームレスにとっては図書館は夏は涼しく、冬は暖かく、しかも個人学習スペースがあるので穴場だったようです。いつも同じ顔ぶれなので、ホームレス同士の会話から私は勝手に彼らに名前をつけ、彼らの近況を盗み聞いて楽しんでいました。
孤独ですよね。一緒に勉強する仲間がいないので、こうやって架空の友達を作ってたワケです。
たまに、いつも見かけるホームレスの方がいないと、どうしたんだろう?具合でも悪いのかな?どっかで倒れてるんじゃないの??と心配したものでした。
孤独と不安との戦い
社会人受験生2年目、私は37歳になっていました。仕事もありません。友達もいなくなっていました。頼れるのは貯金だけでした。何年も浪人するわけには行きません。なんとしても今年合格しなければなりませんでした。
毎日一人ぼっちで図書館でひたすら勉強していました。
休憩がてら友達とおやつを食べている高校生を見かけるたびに泣きそうでした。でも、将来の自分の姿を思い描いて必死に頑張りました。
鬱っぽい状態が続いていました。ルームメイトにはこの時期本当に迷惑かけたと思います。。
考えてみると今は定期テストで毎回死にそうになっていますが、でも友達が大勢いて、一緒に勉強してくれます。
分からない所を教え合ったり、テストの対策を練ったりできます。それって素晴らしいことですよね。勉強している内容は現在の方がずっと難しいし、暗記も沢山あって嫌になりますが精神的には受験勉強の方がはるかに辛かったです。
編入学試験で合格
2年目の秋に麻布大学の編入学試験を受験して運良く獣医学生になることができました。合格発表の紙をもらった時はとにかくホッとしました。
これからやっと学生になれる。あと5年間学生として勉強しなければならないけど、とりあえず憧れの職業に就ける!という感動で心はいっぱいでした。
編入学の試験内容は、英語、生物基礎、そして面接でした。私の印象では面接点の配分が高かったのではないかと思います。英語は、自分が勉強していた内容よりも簡単でした。長文はやはりサイエンス系の内容でした。たしか、火山の話だったと記憶しています。
生物も生物基礎までだったので、結構手ごたえありました。
面接では年も年ですし色々なことを聞かれました。面接時間も30分位あったのではないでしょうか。先生方が6人くらい面接官として座っていてそれぞれの先生から違うことを沢山聞かれました。
「動物実験や解剖の授業がありますが、だいじょうぶですか?」
という質問ももちろんありました。他は学費が払えるのか、とか、私が海外に滞在していた時期があったのでそれにちなんで海外と日本の大きな違いはなんですか?とか、今までの経歴で獣医で活かせることはありますか?等でした。
面接対策はその頃ハローワークに通っていたので、そちらで全部済ませました。就職活動用に頻繁に練習していたので、お題は違いますが度胸がつき、かなり助かりました。
社会人の勉強の仕方まとめ
私は努力だけはできる人間ですので、とにかく努力の積み重ねでやり遂げられた感じです。
私と同じような境遇で受験について考えている方の参考に少しでもなれば嬉しいです。そして社会人大学生がもっともっと増えたらいいなと思います。何歳になっても勉強することは素晴らしいことです。
色んなバックグラウンドの人が自由に勉強にチャレンジできる雰囲気が社会全体に広まっていくと日本ももう少し生き易い社会になるかもしれないと思います。
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